もしかして相手は…。明らかになった関係 【LINE怖い話 #90/母と祖母 6】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
風邪を引き自宅にいた美乃利さんでしたが、再び熱が上がったため祖母宅にいる母親に報告することに。
しかし、返ってきた母親からのメッセージは、発熱のことを知らなかったり夫のことを息子と書いていたりと、明らかに様子がおかしい文面でした。
「何がどうなってるの!?」
訳がわからず、混乱してただLINE画面を見続けることしかできない美乃利さん。
そうしているうちに、さらに母親…と思われる人物から再びメッセージが送られてきました。
追加で送られてきたメッセージも、明らかに母親が書いているような文面ではありません。
しまいにはひどい母親だと言い、いないほうがいいとまで書いています、
「…」
混乱していた美乃利さんでしたが、ここまでくると頭が真っ白になって固まってしまいました。
そして数秒後、美乃利さんは静かにキッチンへ移動し、コップに水を汲んで一気に飲み干しました。
「……ふぅ」
一息つき、思考がクリアになってきた美乃利さん。
パニックを通り越し、1周回って冷静になったようです。熱があり体がだるいということもすっかり忘れてしまっています。
再びLINE画面を確認し、母親のメッセージをよく読む美乃利さん。
(…そういえば、今日だけじゃなくて前から変だったよね)
遺品整理のために祖母宅に向かってから、メッセージの内容が変であったことを振り返りました。
そこで特に気になったのは、父親のことを息子と呼んでいること。
そして、自分に対して“美乃利ちゃん”と呼んでいること。小文字が打てておらず“ちやん”となっていますが、これはちゃんづけをしているということでしょう。
普段、母親は呼び捨てで名前を呼んでいます。ちゃんづけで呼ぶのは、仲のいい友達以外で知っているのは1人だけ。
(…おばあちゃん?)
そう、亡くなった祖母も名前をちゃんづけで呼んでいました。
LINEの相手が祖母であるなら、不可解な文章にも納得がいきます。
祖母がすでに亡くなっているということを除けば。
なぜ母親のアカウントから祖母のメッセージがくるのか。
今、祖母の家で何が起きているのか。
色々と確認したいところですが、それとは別にもう1つ気になることが美乃利さんにはありました。
(…お母さんとおばあちゃん、仲悪かったんだ)
相手が本当に祖母であった場合、母親のことをしいたげるメッセージを祖母が書いていたということになります。
それほど祖母は母親のことが嫌いだったことに美乃利さんは驚いていました。
「…どうすれば、いいの?」
亡くなった祖母からのメッセージと母親と祖母のいわゆる嫁姑問題の発覚。
衝撃的な事実が重なり、美乃利さんは再び固まって画面を見続けることしかできなくなりました…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
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「母と祖母」その6
風邪を引き自宅にいた美乃利さんでしたが、再び熱が上がったため祖母宅にいる母親に報告することに。
しかし、返ってきた母親からのメッセージは、発熱のことを知らなかったり夫のことを息子と書いていたりと、明らかに様子がおかしい文面でした。
「何がどうなってるの!?」
訳がわからず、混乱してただLINE画面を見続けることしかできない美乃利さん。
そうしているうちに、さらに母親…と思われる人物から再びメッセージが送られてきました。
追加で送られてきたメッセージも、明らかに母親が書いているような文面ではありません。
しまいにはひどい母親だと言い、いないほうがいいとまで書いています、
「…」
混乱していた美乃利さんでしたが、ここまでくると頭が真っ白になって固まってしまいました。
そして数秒後、美乃利さんは静かにキッチンへ移動し、コップに水を汲んで一気に飲み干しました。
「……ふぅ」
一息つき、思考がクリアになってきた美乃利さん。
パニックを通り越し、1周回って冷静になったようです。熱があり体がだるいということもすっかり忘れてしまっています。
再びLINE画面を確認し、母親のメッセージをよく読む美乃利さん。
(…そういえば、今日だけじゃなくて前から変だったよね)
遺品整理のために祖母宅に向かってから、メッセージの内容が変であったことを振り返りました。
そこで特に気になったのは、父親のことを息子と呼んでいること。
そして、自分に対して“美乃利ちゃん”と呼んでいること。小文字が打てておらず“ちやん”となっていますが、これはちゃんづけをしているということでしょう。
普段、母親は呼び捨てで名前を呼んでいます。ちゃんづけで呼ぶのは、仲のいい友達以外で知っているのは1人だけ。
(…おばあちゃん?)
そう、亡くなった祖母も名前をちゃんづけで呼んでいました。
LINEの相手が祖母であるなら、不可解な文章にも納得がいきます。
祖母がすでに亡くなっているということを除けば。
なぜ母親のアカウントから祖母のメッセージがくるのか。
今、祖母の家で何が起きているのか。
色々と確認したいところですが、それとは別にもう1つ気になることが美乃利さんにはありました。
(…お母さんとおばあちゃん、仲悪かったんだ)
相手が本当に祖母であった場合、母親のことをしいたげるメッセージを祖母が書いていたということになります。
それほど祖母は母親のことが嫌いだったことに美乃利さんは驚いていました。
「…どうすれば、いいの?」
亡くなった祖母からのメッセージと母親と祖母のいわゆる嫁姑問題の発覚。
衝撃的な事実が重なり、美乃利さんは再び固まって画面を見続けることしかできなくなりました…。
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。