もし、同意していたら…。私が出した答え 【LINE怖い話 #91/母と祖母 7】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「母と祖母」その7



母親からのLINEメッセージが、亡くなった祖母からのメッセージであることに気づいた美乃利さん。

現実味のない出来事や嫁姑問題の発覚など、衝撃的なことが重なりどうすればいいかわからなくなっていました。

困惑していると、追加でメッセージが送られてきます。



送られてきたのは“親よりも私と一緒にいよう”という意味の文章。

この文面を見て、少なくとも連絡相手が母親ではないことを確信した美乃利さん。

相手がすでに亡くなっている祖母であるという考えも、現実的には否定したかった美乃利さんでしたが、今は相手を祖母だと思って対応することにします。

“悪いけど、それはできない”

そう返した後、美乃利さんは続けてメッセージを送りました。

母親が今まで一生懸命に私を育ててくれたことや、父親が亡くなった後も自分の辛さを隠しながら私を励ましてくれたことをLINE越しで語る美乃利さん。

そして現在も、生活の中で様々な母親からの愛を感じていることを伝えました。

“1人で風邪を引いてから、普段どれだけ助けられてるかよくわかった”

“一緒にいるなら、お母さんとが1番いい”

最後にそう付け加え、メッセージを送り終えました。



「…」

メッセージを送り、そのまま10分ほど経過。

自分の想いはきちんと伝わっただろうか、そう心配しながら無言で待っていた美乃利さんですが、その後1文だけ返信がきました。

“それならよかった”

その後、今まで送られてきたメッセージは、すべて削除されました。



翌日、祖母宅から母親が帰ってきました。

「掃除が大変だった」と語り、普段通りで何事もなかったかのような振る舞いをする母親。

LINEのことをそれとなく聞く美乃利さんでしたが、特に何も覚えていない様子でした。

「ところどころ、掃除中の記憶が飛んでるんだよねぇ。疲れてたのかしら…?」

そう語る母親に、美乃利さんは特に何も言わず「ゆっくり休んで」とだけ伝えました。

美乃利さんにとって、母親が無事帰ってきたことが何より嬉しかったので、余計なことは言わないと決めたようです。

あの時、祖母と思われる相手に“一緒にいたい”と答えていたら、今頃…。



連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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