もしかして近くに…!?友人に迫るもの 【LINE怖い話 #117/廃屋敷からの報告 5】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「廃屋敷からの報告」その5



廃屋敷内を警察が捜索するも、神奈さんたちが見つかる気配はまったくありません。

亜美さんのLINEに、神奈さんから“低いうめき声のような音が聞こえる”という報告があり、それを頼りに警察が捜索を続けます。

そして、それからさらに10分後。

「…まだ、見つからないですか?」

「ああ…例の音も確認できていないということらしい」

神奈さんの言う低いうめき声のような音はどこからも聞こえないという報告を聞き、亜美さんと佐山さんは不安を大きくしていました。未だに発見することができていません。

「私、他に何か手がかりになるようなものがないか聞いてみますね!」

亜美さんはそう言い、LINE画面を開いて神奈さんにメッセージを送ることにしました。



新たな目印となるようなものを確認したいところでしたが、例の音が近くで聞こえるため無理だと言う神奈さん。

亜美さんはすぐにLINEのやり取りを佐山さんに見せます。

「無理はさせられない。そのまま隠れているよう伝えてくれ」

佐山さんはそう指示し、亜美さんはその旨を送信。音が聞こえなくなるまでそのままでいるよう送信しました。

「音が移動しているということは、例の不審者本人の声の可能性が高いな…急がないと」

佐山さんのその呟きに、亜美さんは焦りを覚えました。

神奈さんのすぐ近くに、神奈さんたちを襲った犯人がいる。それが事実であれば一刻の猶予もありません。

佐山さんが急いで探すよう指示する横で、亜美さんは神奈さんの無事を必死に願っていました。

(どうか…どうか神奈が犯人に見つかりませんように…!)



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(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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