なぜ見つからない?新たな手がかりを求めて 【LINE怖い話 #116/廃屋敷からの報告 4】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE……。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
山奥の廃屋敷に到着し、警察による神奈さんと絵里奈さんの捜索が開始。
亜美さんはパトカーの中で刑事の佐山さんと待機し、2人が発見・保護されるのを待ちます。
しかし、それから20分後。
「見つからない?保護対象者も不審者もか!?」
「はい…ところどころ足跡があるなどの、何者かが入った形跡はあるのですが…」
佐山さんのトランシーバーから聞こえてきたのは、誰も見つからないという現場で捜索している警察官の困惑した声でした。
「どういうことだ…?場所を間違えているとでもいうのか?」
警察官8人がかりで捜索しているにも関わらず、誰も見つからないという事態に頭を悩ませる佐山さん。
「渡辺さん、本当にここで間違いないんだね?」
「は、はい。高校の裏山の洋館なんて、ここぐらいしかありませんから…」
疑う佐山さんに亜美さんはLINE画面を見せ、神奈さんからのメッセージの中にこの洋館にいるという旨の内容があったことを再度確認してもらいます。
「むう…」
佐山さんは画面を見て少し考え込んだあと、再びトランシーバーを手にして指示を出しました。
「この暗さのうえに、屋敷も広い。見落としている場所がないかもっとよく調べるんだ!不審者へのけん制も兼ねて、声を出しながら探せ!」
「了解!捜索を続けます!」
佐山さんからの指示を受け、引き続き捜索を行う現場の警察官たち。
その直後、亜美さんのスマートフォンにメッセージ着信音が。
「刑事さん!神奈からLINEが来ました!」
「何っ!?」
送信相手が神奈さんであることを確認した亜美さんは、画面を覗き込む佐山さんと共にメッセージの確認を行います。
神奈さんが言うには、気味の悪い謎の音が聞こえるとのこと。
しかし、亜美さんたちの周囲からはパトカーのサイレンと、警察官の神奈さんたちを呼ぶ声しか聞こえていません。
メッセージを読んだ佐山さんは、すぐにトランシーバーで現場に連絡を入れました。
「たった今、保護対象から連絡があった。何やら低いうめき声のような音が聞こえるそうだ。その音の近くにいると思われる。それを頼りに捜索してくれ!」
「承知いたしました!」
そう返された後に通信は終わり、捜索が再開されます。
「低いうめき声のような音…どんな音なのかな…?」
「普通の家ならボイラーの音か何かと考えることはできるが、ここは無人だしな…」
亜美さんが思わず呟いた疑問に答える佐山さん。わからないことが多すぎて全員頭を抱えている状態です。
特に亜美さんは、神奈さんの1番最後の返信が気になっていました。
(8人の大人が大声で探して、サイレンの音もすごいのに、その変な音しか聞こえてないの…?)
そう思いながら、亜美さんは再びパトカーのフロントガラス越しに屋敷を見つめます。
そこにはライトに照らされた廃屋敷が、ただ静かにそびえ立っているだけでした…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
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「廃屋敷からの報告」その4
山奥の廃屋敷に到着し、警察による神奈さんと絵里奈さんの捜索が開始。
亜美さんはパトカーの中で刑事の佐山さんと待機し、2人が発見・保護されるのを待ちます。
しかし、それから20分後。
「見つからない?保護対象者も不審者もか!?」
「はい…ところどころ足跡があるなどの、何者かが入った形跡はあるのですが…」
佐山さんのトランシーバーから聞こえてきたのは、誰も見つからないという現場で捜索している警察官の困惑した声でした。
「どういうことだ…?場所を間違えているとでもいうのか?」
警察官8人がかりで捜索しているにも関わらず、誰も見つからないという事態に頭を悩ませる佐山さん。
「渡辺さん、本当にここで間違いないんだね?」
「は、はい。高校の裏山の洋館なんて、ここぐらいしかありませんから…」
疑う佐山さんに亜美さんはLINE画面を見せ、神奈さんからのメッセージの中にこの洋館にいるという旨の内容があったことを再度確認してもらいます。
「むう…」
佐山さんは画面を見て少し考え込んだあと、再びトランシーバーを手にして指示を出しました。
「この暗さのうえに、屋敷も広い。見落としている場所がないかもっとよく調べるんだ!不審者へのけん制も兼ねて、声を出しながら探せ!」
「了解!捜索を続けます!」
佐山さんからの指示を受け、引き続き捜索を行う現場の警察官たち。
その直後、亜美さんのスマートフォンにメッセージ着信音が。
「刑事さん!神奈からLINEが来ました!」
「何っ!?」
送信相手が神奈さんであることを確認した亜美さんは、画面を覗き込む佐山さんと共にメッセージの確認を行います。
神奈さんが言うには、気味の悪い謎の音が聞こえるとのこと。
しかし、亜美さんたちの周囲からはパトカーのサイレンと、警察官の神奈さんたちを呼ぶ声しか聞こえていません。
メッセージを読んだ佐山さんは、すぐにトランシーバーで現場に連絡を入れました。
「たった今、保護対象から連絡があった。何やら低いうめき声のような音が聞こえるそうだ。その音の近くにいると思われる。それを頼りに捜索してくれ!」
「承知いたしました!」
そう返された後に通信は終わり、捜索が再開されます。
「低いうめき声のような音…どんな音なのかな…?」
「普通の家ならボイラーの音か何かと考えることはできるが、ここは無人だしな…」
亜美さんが思わず呟いた疑問に答える佐山さん。わからないことが多すぎて全員頭を抱えている状態です。
特に亜美さんは、神奈さんの1番最後の返信が気になっていました。
(8人の大人が大声で探して、サイレンの音もすごいのに、その変な音しか聞こえてないの…?)
そう思いながら、亜美さんは再びパトカーのフロントガラス越しに屋敷を見つめます。
そこにはライトに照らされた廃屋敷が、ただ静かにそびえ立っているだけでした…。
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。