友人と不審者はどこに?廃屋敷捜索開始 【LINE怖い話 #115/廃屋敷からの報告 3】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
山奥の廃屋敷で肝試しをしていた友人の神奈さんから“変な人に襲われた!”という報告を受けた亜美さん。
担当刑事の佐山さんの指示のもと、神奈さんにLINEでそのまま静かに隠れているよう伝え、警察と一緒に現地へ向かいます。
そしてその十数分後。
舗装されていない道を疾走していた3台のパトカーが、目的地に到着し停車しました。
刑事の佐山さんがすぐに降車し、それに続いて亜美さんも車から降ります。他のパトカーからも警察官が続々と降車してきました。
「ここか…」
目の前には、経年劣化でボロボロになった3階建ての大きな洋館が、パトライトに照らされ闇夜の中に浮かび上がっていました。
窓ガラスは割れ、壁は塗装が剥げてところどころに穴が。一部はえぐれていて外から部屋の中が見えている状態となっており、いつ倒壊してもおかしくないような外見をしています。
「…話に聞いた通り、不審者がいなくても危険な場所だな」
佐山さんはそう呟くと、亜美さんに向き直って指示を出します。
「捜索のヒントが欲しい。神奈さんに、今自分がどこに隠れているか聞いてもらえるか?」
「はい!」
亜美さんはすぐにLINE画面を開き、指示通り神奈さんにメッセージを送りました。
すぐに神奈さんから返信があり、どこか大きな部屋のクローゼットの中に隠れているとのことです。
佐山さんはそれを確認すると、現場にいる警察官全員に指示を出しました。
「保護対象者は2名、園枝神奈さんと真島絵美里さん。両名はこの廃屋敷にいると考えられ、園枝神奈さんはどこかの大部屋のクローゼットの中にいるとの情報が入っている。両名を襲った不審者も屋敷内にいると考えられるため、警戒しつつ速やかに両名を保護するんだ!」
「はっ!」
佐山さんの力強い号令に警察一同は敬礼し、刺股と懐中電灯を手に屋敷内へと入っていきました。
「よし、俺たちは車の中で待っていよう。例の不審者が中から飛び出してくるかもしれないしな」
「は、はい」
安全を配慮し、亜美さんは再び車の後部座席へ。佐山さんは万が一の場合を想定して運転席へ座り、トランシーバーで連絡をしながら屋敷の周囲を観察します。
「屋敷正面は俺が見張っているから、内部をくまなく探せ。建物が古いから怪我には気をつけろよ」
「承知いたしました!」
佐山さんのやり取りを後ろで聞きつつ、屋敷を見つめる亜美さん。
(これなら、すぐに見つかるよね…)
そう希望を持ち、警察からの発見報告を無言で待ちつづけます。
果たして、神奈さんと絵里奈さんを無事に保護することはできるのでしょうか…?
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
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「廃屋敷からの報告」その3
山奥の廃屋敷で肝試しをしていた友人の神奈さんから“変な人に襲われた!”という報告を受けた亜美さん。
担当刑事の佐山さんの指示のもと、神奈さんにLINEでそのまま静かに隠れているよう伝え、警察と一緒に現地へ向かいます。
そしてその十数分後。
舗装されていない道を疾走していた3台のパトカーが、目的地に到着し停車しました。
刑事の佐山さんがすぐに降車し、それに続いて亜美さんも車から降ります。他のパトカーからも警察官が続々と降車してきました。
「ここか…」
目の前には、経年劣化でボロボロになった3階建ての大きな洋館が、パトライトに照らされ闇夜の中に浮かび上がっていました。
窓ガラスは割れ、壁は塗装が剥げてところどころに穴が。一部はえぐれていて外から部屋の中が見えている状態となっており、いつ倒壊してもおかしくないような外見をしています。
「…話に聞いた通り、不審者がいなくても危険な場所だな」
佐山さんはそう呟くと、亜美さんに向き直って指示を出します。
「捜索のヒントが欲しい。神奈さんに、今自分がどこに隠れているか聞いてもらえるか?」
「はい!」
亜美さんはすぐにLINE画面を開き、指示通り神奈さんにメッセージを送りました。
すぐに神奈さんから返信があり、どこか大きな部屋のクローゼットの中に隠れているとのことです。
佐山さんはそれを確認すると、現場にいる警察官全員に指示を出しました。
「保護対象者は2名、園枝神奈さんと真島絵美里さん。両名はこの廃屋敷にいると考えられ、園枝神奈さんはどこかの大部屋のクローゼットの中にいるとの情報が入っている。両名を襲った不審者も屋敷内にいると考えられるため、警戒しつつ速やかに両名を保護するんだ!」
「はっ!」
佐山さんの力強い号令に警察一同は敬礼し、刺股と懐中電灯を手に屋敷内へと入っていきました。
「よし、俺たちは車の中で待っていよう。例の不審者が中から飛び出してくるかもしれないしな」
「は、はい」
安全を配慮し、亜美さんは再び車の後部座席へ。佐山さんは万が一の場合を想定して運転席へ座り、トランシーバーで連絡をしながら屋敷の周囲を観察します。
「屋敷正面は俺が見張っているから、内部をくまなく探せ。建物が古いから怪我には気をつけろよ」
「承知いたしました!」
佐山さんのやり取りを後ろで聞きつつ、屋敷を見つめる亜美さん。
(これなら、すぐに見つかるよね…)
そう希望を持ち、警察からの発見報告を無言で待ちつづけます。
果たして、神奈さんと絵里奈さんを無事に保護することはできるのでしょうか…?
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。