動かず隠れていて!警察と共に廃屋敷へ 【LINE怖い話 #114/廃屋敷からの報告 2】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
山奥の廃屋敷で肝試しをしていた友人の神奈さんから“変な人に襲われた!”という報告を受けた亜美さん。
隠れて身動きが取れないと助けを求めていたため、亜美さんは警察を呼んで助けに行くと伝え、すぐに110番通報をしました。
神奈さんに助けを求められてから20分ほど経過した頃。
亜美さんはパトカーの後部座席に乗り、警察の人たちと一緒に廃屋敷を目指していました。
隣には、今回の件を仕切ってくれている佐山さんという男性の中年刑事が座り、亜美さんの話を熱心に聞いてくれています。
「話はわかった。友人とその知人、2名が屋敷で不審者に襲われた、ということで間違いないね?」
「はい…」
神奈さんのことが心配で、うつむきながら話をする亜美さん。
そんな様子を見て、佐山さんは亜美さんの肩を軽く叩きながら言いました。
「心配するな、君のお友達は我々が必ず助ける」
「…よろしくお願いします」
力強くも優しい口調で言う佐山さんの言葉に、少しだけ緊張がほぐれる亜美さん。
それを察知した佐山さんは、話を再開します。
「現在神奈さんのご両親にも俺の部下が連絡をしているが、捜索時には君とのやり取りが必要になってくるだろう。神奈さんとの連絡手段は、今のところ君の携帯が頼りだ」
「携帯…?ああ、スマホのことですね」
「うっ…そうか、今時の若い子は携帯とは言わないのか…ははは」
ジェネレーションギャップを感じ、苦笑しながら頭をかく佐山さん。
そんな佐山さんを見て、亜美さんも苦笑。さらに緊張の糸が解れていくのを実感していました。
「ともかく、まずは彼女に警察が向かっているということと、今後も声を出さないようLINEで連絡を取り合うということを伝えてもらえるかな?それと、着信音も切っておくようにと」
「はい!」
亜美さんはすぐにスマートフォンを取り出し、LINE画面を開きました。
亜美さんが佐山さんの指示通りにメッセージを送ると、すぐに了承した旨の返事が送られてきました。
「よし。すぐに返って来たし、文面からしてもまだ大丈夫そうだな」
今のところ上手く隠れている様子の神奈さんに、ひとまず安心する佐山さんと亜美さん。
「だが、もう1人の絵里奈さんという方は情報がないから心配だな……ともかく、早く現場に向かおう」
佐山さんはそう言うと、運転をしている警察官に急ぐよう指示。
パトカーはスピードを上げながら、夜の山奥へと入っていきました。
(神奈…どうか無事でいて…!)
亜美さんは夜の山道を見ながら、持っているスマートフォンを強く握り締めました…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
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「廃屋敷からの報告」その2
山奥の廃屋敷で肝試しをしていた友人の神奈さんから“変な人に襲われた!”という報告を受けた亜美さん。
隠れて身動きが取れないと助けを求めていたため、亜美さんは警察を呼んで助けに行くと伝え、すぐに110番通報をしました。
神奈さんに助けを求められてから20分ほど経過した頃。
亜美さんはパトカーの後部座席に乗り、警察の人たちと一緒に廃屋敷を目指していました。
隣には、今回の件を仕切ってくれている佐山さんという男性の中年刑事が座り、亜美さんの話を熱心に聞いてくれています。
「話はわかった。友人とその知人、2名が屋敷で不審者に襲われた、ということで間違いないね?」
「はい…」
神奈さんのことが心配で、うつむきながら話をする亜美さん。
そんな様子を見て、佐山さんは亜美さんの肩を軽く叩きながら言いました。
「心配するな、君のお友達は我々が必ず助ける」
「…よろしくお願いします」
力強くも優しい口調で言う佐山さんの言葉に、少しだけ緊張がほぐれる亜美さん。
それを察知した佐山さんは、話を再開します。
「現在神奈さんのご両親にも俺の部下が連絡をしているが、捜索時には君とのやり取りが必要になってくるだろう。神奈さんとの連絡手段は、今のところ君の携帯が頼りだ」
「携帯…?ああ、スマホのことですね」
「うっ…そうか、今時の若い子は携帯とは言わないのか…ははは」
ジェネレーションギャップを感じ、苦笑しながら頭をかく佐山さん。
そんな佐山さんを見て、亜美さんも苦笑。さらに緊張の糸が解れていくのを実感していました。
「ともかく、まずは彼女に警察が向かっているということと、今後も声を出さないようLINEで連絡を取り合うということを伝えてもらえるかな?それと、着信音も切っておくようにと」
「はい!」
亜美さんはすぐにスマートフォンを取り出し、LINE画面を開きました。
亜美さんが佐山さんの指示通りにメッセージを送ると、すぐに了承した旨の返事が送られてきました。
「よし。すぐに返って来たし、文面からしてもまだ大丈夫そうだな」
今のところ上手く隠れている様子の神奈さんに、ひとまず安心する佐山さんと亜美さん。
「だが、もう1人の絵里奈さんという方は情報がないから心配だな……ともかく、早く現場に向かおう」
佐山さんはそう言うと、運転をしている警察官に急ぐよう指示。
パトカーはスピードを上げながら、夜の山奥へと入っていきました。
(神奈…どうか無事でいて…!)
亜美さんは夜の山道を見ながら、持っているスマートフォンを強く握り締めました…。
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。