友人のピンチ!深夜に届いたSOS 【LINE怖い話 #113/廃屋敷からの報告 1】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「廃屋敷からの報告」その1



4月下旬の真夜中。

時計の針が12時を少し過ぎた頃、とある家の一室で机に向かっている女性が1人。

彼女の名前は渡辺亜美さん。今年大学生になったばかりの彼女は、大学から出された課題の制作に取り掛かっていました。

(レポート、書式はこれで…うん、あってる)

机に置いたノートパソコンを無言で操作し、順調にレポート作成を進めていく亜美さん。

しかしその途中、そばに置いていたスマートフォンからメッセージ着信音が。

画面を確認してみると、送信相手は高校生の時の友達であった神奈さんからでした。

(こんな遅くにどうしたんだろう?)

レポート作成を中断し、LINE画面を開く亜美さん。そこには…。



必死に助けを求めるメッセージが送られてきていました。

神奈さんは怖い話などのオカルト系の趣味を持っており、肝試しや心霊スポット巡りをすることも珍しくありませんでした。

しかし今回、その肝試し先で何者かに襲われたとのことです。

本気でヤバいと思った亜美さんは、すぐに返信を返します。

「すぐ警察呼ぶ!場所はどこ!?」

“高校の裏山にあった、あの無人の洋館!”

亜美さんと神奈さんが通っていた高校の裏山の奥には昔から屋敷が建っており、かなり古くていつからあるのか、誰が住んでいたかもわかっておりません。

神奈さんは大学でオカルト好き同士として友人となった絵里奈さんに、地元の紹介を兼ねて廃屋敷で肝試しに行っていたとのことでした。

「あんな危ないところに…!」

心霊現象うんぬん関係なく、建物が古く事故の可能性が高いため近寄ってはいけないと周知されているため、亜美さんは少し呆れながらも神奈さんの心配をします。

「っ…!警察っ!」

警察を呼ぶことを伝えると、すぐに通話画面を開き110番に連絡しました。

「もしもし!?警察ですか!?」

繋がったことを確認し、友人が助けを求めている経緯を説明し始めます。

亜美さんの長い長い夜が始まりました…。



連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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