そんなこともできるの…?最後に明かされた力 【LINE怖い話 #112/ストッパー 7】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
友人が引ったくりにあい、犯人の逃走を止めてほしいとストッパーにお願いした園子さん。
その結果、犯人のバイクが止まり逮捕され、ことなきを得ることとなりました。
そしてその日の夜。
警察の事情徴収から解放され、自宅に帰ってきた園子さん。
友人のすみれさんとのお出かけはまた後日となってしまいましたが、すみれさんのバッグが無事戻ってきたので良しとしています。
(さて、お礼を言っておかないとなぁ)
自室に戻った園子さんはベッドに腰掛けながら、今日のことをストッパーにお礼を言うためLINE画面を開きました。
園子さんからのお礼に、ストッパーもお礼を返してきました。
ストッパーに犯罪を依頼することもなく、友人を助けるために貴重な1回を使用したことにとても喜んでいるようです。
そんなこと考えもしませんでしたが、その返信で少しストッパーに親近感を覚えた園子さんは質問してみることにしました。
「もし私が犯罪、例えば店員の意識を止めて盗みを働きたいとか願ってたら、どうするつもりだったの?」
興味本位で聞いてみた園子さん。そしてすぐにストッパーからメッセージが帰ってきました。
“君の心臓を止めていた”
「ひっ…!?」
淡々と恐ろしいことを言うストッパーに、思わず小さな悲鳴を上げてしまう園子さん。
先ほどまでの親近感は消え、最初に抱いていた何者か分からない恐怖感が再び園子さんを襲います。
“ともかく、これですべての願いは果たされた。君とはお別れだ。これからも良い人生を”
ストッパーはそうメッセージを残して会話を切り上げてしまいました。
園子さんがストッパーのことをもっと知りたいと思って返信をしようとしますが、画面には“トーク相手がいません”の文字が。どうやらアカウントが消えてしまったようです。
(なんだったのよ…!?)
結局正体もわからず、恐怖感とやりきれない気持ちが混ざり合う園子さんでした。
それから1年後。
園子さんは大学4年生となり、少しずつ卒業が控えてくる時期となりました。
順調に単位を取得してきたため今年は授業がほとんどなく、就職活動と卒業論文作成にはげむ日々を送っています。
(ふぅ、気分転換にテレビでも見るかぁ~)
自宅のパソコンで卒業論文を書いている途中、休憩がてらテレビの電源をつける園子さん。
そのときに流れていたニュース番組で、気になることが報道されていました。
「20歳の無職の女性が、自宅で倒れているのが発見されました。死因は急性の心臓麻痺と診断され…」
普通に見れば、日常の中にある不幸なニュース。しかし園子さんには、別の考えが脳裏をよぎりました。
これがもし、ストッパーの仕業だったとしたら…。
(あ、あはは…まさかね?)
それ以上は考えないようにし、すぐにチャンネルを変えてしまう園子さんでした…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「ストッパー」その7
友人が引ったくりにあい、犯人の逃走を止めてほしいとストッパーにお願いした園子さん。
その結果、犯人のバイクが止まり逮捕され、ことなきを得ることとなりました。
そしてその日の夜。
警察の事情徴収から解放され、自宅に帰ってきた園子さん。
友人のすみれさんとのお出かけはまた後日となってしまいましたが、すみれさんのバッグが無事戻ってきたので良しとしています。
(さて、お礼を言っておかないとなぁ)
自室に戻った園子さんはベッドに腰掛けながら、今日のことをストッパーにお礼を言うためLINE画面を開きました。
園子さんからのお礼に、ストッパーもお礼を返してきました。
ストッパーに犯罪を依頼することもなく、友人を助けるために貴重な1回を使用したことにとても喜んでいるようです。
そんなこと考えもしませんでしたが、その返信で少しストッパーに親近感を覚えた園子さんは質問してみることにしました。
「もし私が犯罪、例えば店員の意識を止めて盗みを働きたいとか願ってたら、どうするつもりだったの?」
興味本位で聞いてみた園子さん。そしてすぐにストッパーからメッセージが帰ってきました。
“君の心臓を止めていた”
「ひっ…!?」
淡々と恐ろしいことを言うストッパーに、思わず小さな悲鳴を上げてしまう園子さん。
先ほどまでの親近感は消え、最初に抱いていた何者か分からない恐怖感が再び園子さんを襲います。
“ともかく、これですべての願いは果たされた。君とはお別れだ。これからも良い人生を”
ストッパーはそうメッセージを残して会話を切り上げてしまいました。
園子さんがストッパーのことをもっと知りたいと思って返信をしようとしますが、画面には“トーク相手がいません”の文字が。どうやらアカウントが消えてしまったようです。
(なんだったのよ…!?)
結局正体もわからず、恐怖感とやりきれない気持ちが混ざり合う園子さんでした。
それから1年後。
園子さんは大学4年生となり、少しずつ卒業が控えてくる時期となりました。
順調に単位を取得してきたため今年は授業がほとんどなく、就職活動と卒業論文作成にはげむ日々を送っています。
(ふぅ、気分転換にテレビでも見るかぁ~)
自宅のパソコンで卒業論文を書いている途中、休憩がてらテレビの電源をつける園子さん。
そのときに流れていたニュース番組で、気になることが報道されていました。
「20歳の無職の女性が、自宅で倒れているのが発見されました。死因は急性の心臓麻痺と診断され…」
普通に見れば、日常の中にある不幸なニュース。しかし園子さんには、別の考えが脳裏をよぎりました。
これがもし、ストッパーの仕業だったとしたら…。
(あ、あはは…まさかね?)
それ以上は考えないようにし、すぐにチャンネルを変えてしまう園子さんでした…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。