嫌な予感…。目印となる分かれ道の前で【LINE怖い話 #97/深夜の道しるべ 6】

友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?

それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。


「深夜の道しるべ」その6



幽霊はびこる廃村から脱出するために、謎のアカウントの指示のもと出口に向かって進む凛さん。

途中、墓地の中を進むことを強要されましたが、ヤケになりながらも確実に足を進めていきます。

墓地を通過した後、道は再び1本道となり、家屋も見られなくなって完全な山道のようなルートとなりました。

前に同じような道を通った際は、謎のアカウントから振り返らない、寄り道をしてはいけないなどの警告を受けましたが、今回はそれがありません。

(今回は特に何もないのか…?)

一応周囲を警戒し、振り向くことも避け前だけ見て進んでいく凛さん。

そのまましばらく進んでいると、道が2つに分かれている場所にたどり着きました。

ひとつはそのまま真っすぐ進む道で、その先は暗闇の中へ続いており行先は不明。

そしてもうひとつは、鳥居が建っている先に上へ向かう階段が見えました。階段の先は暗くてよく見えず、こちらも行先は不明です。

どちらに進むべきか凛さんが迷っていると、スマートフォンにLINEメッセージが。



謎のアカウントは、鳥居のあるほうの道を進んでほしいと指示してきました。

これで終わりと書いてきたので、おそらく階段の先が出口になっていると思われます。

(ふぅ…やっと出口か)

凛さんは脱出できると思って思わずため息をつき、鳥居が建つほうの道へ足を進めようとしました。

(…っ!?)

しかし、鳥居の前で唐突に足を止めました。

鳥居をくぐろうとした直前、全身から冷汗が噴き出し、背中に強烈な悪寒が走ったからです。

(…なんか、怖い)

理由はわからないけど、嫌な予感がする。体全体で恐怖を感じていることを自覚する凛さん。

思わず後ずさって1歩離れ、鳥居を見上げます。

(どうする…?でも、ここを通らないと出られないみたいだし…)

鳥居の前で立ちすくみ、指示に従うべきか悩む凛さん。

そうしてしばらく無言で考えていると…。

ガシッ!

急に誰かから、左腕を力強くつかまれました。



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(洞 怜子)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

この記事を書いたライター

洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。

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