まさかこれって…!?ある意味での有言実行 【LINE怖い話 #107/ストッパー 2】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
ストッパーと名乗る謎のアカウントから「何かを止める」という内容で願いを叶えると言われた園子さん。
うさん臭く信じられない園子さんは「時間を止めて見せてよ」と無理難題を提案しますが、ストッパーは淡々と承知し、限定的な範囲で行うと宣言しました。
そしてその翌日。
園子さんは自身が通う大学で定期試験を受けていました。
(ヤバい…難しい…)
頭をフル回転させ、覚えたことを引っ張り出しながら解答欄を埋めていく園子さん。しかしそのスピードは遅く、思った以上に進みがよくありません。
苦手な科目ということもあり、焦りはじめる園子さん。
(ホント、時間が止まってくれりゃあいいのに)
昨日のストッパーのメッセージを思い出し、そんなことを考えながら教室の時計を見ます。
テスト終了時刻まで、あと20分…。
その後しばらくして。
(ふいぃ~…お、終わったぁー…!)
解答欄をすべて埋め、ペンを置いて心の中で一息つく園子さん。
かなり時間がかかってしまいましたが、テスト終了を告げるチャイムはまだ鳴っていません。
意外と余裕を持ってできたかな、そう思って園子さんは時計を確認しました。
テスト終了時刻まで、あと20分。
(あれ?)
首を傾げる園子さん。最後に時間を確認してからまったく指針が進んでいません。
(え、なんで…?)
驚いた園子さんは周囲を軽く見渡してみましたが、全員黙々と回答用紙に向かっており、試験監督の先生も含めて気にしている人は誰もいません。
私の見間違いかな、そう思った時、教室のドアが開き別の先生が入ってきました。
「失礼します!実はチャイム放送機器にトラブルがあり、チャイムが鳴らない状態となってしまっています!」
突然入って来た先生の報告に、驚いてざわつき始める学生たち。
詳しく話を聞くと、校内にチャイムを鳴らす機材の不調でチャイムが鳴らず、現在復旧作業を行っているとのこと。そのため試験終了の合図であるチャイムが鳴らなかったようです。
しかし、この教室の時計が止まっていたため、全員がそれに気づかなかったようです。
試験監督の先生が教室の時計を確認すると、どうやら電池切れのようでした。
2つのトラブルが重なり、テスト時間が大幅に伸びてしまったということになります。
「マジか、問題解くの遅かったからラッキー!」
「つーか、次の科目遅刻決定じゃん!ちゃんと責任とってくれるよね!?」
周りの生徒たちが各々の想いをこぼしている中、園子さんにはあることを考えていました。
(まさか、限定的に時間を止めるって…)
その時、スマートフォンにメッセージ着信音が。
園子さんはすぐにLINEを開き、内容を確認しました。
チャイムが鳴らなくなったのも、教室の時計が止まったのもすべてストッパーが行ったものであるとのこと。
確かに昨日、園子さんは自信のなさからテスト時間が止まってほしいという気持ちを込めてストッパーに依頼しました。
結果、試験時間が伸びて回答が間に合ったため、依頼通りということになります。
(コイツ、どれだけ私のことを知ってるの…!?)
ある意味で有言実行し時間を止めたこと、そして見ず知らずの相手に自分の心の中まで知られているということに、園子さんは恐怖を感じるのでした…。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
「ストッパー」その2
ストッパーと名乗る謎のアカウントから「何かを止める」という内容で願いを叶えると言われた園子さん。
うさん臭く信じられない園子さんは「時間を止めて見せてよ」と無理難題を提案しますが、ストッパーは淡々と承知し、限定的な範囲で行うと宣言しました。
そしてその翌日。
園子さんは自身が通う大学で定期試験を受けていました。
(ヤバい…難しい…)
頭をフル回転させ、覚えたことを引っ張り出しながら解答欄を埋めていく園子さん。しかしそのスピードは遅く、思った以上に進みがよくありません。
苦手な科目ということもあり、焦りはじめる園子さん。
(ホント、時間が止まってくれりゃあいいのに)
昨日のストッパーのメッセージを思い出し、そんなことを考えながら教室の時計を見ます。
テスト終了時刻まで、あと20分…。
その後しばらくして。
(ふいぃ~…お、終わったぁー…!)
解答欄をすべて埋め、ペンを置いて心の中で一息つく園子さん。
かなり時間がかかってしまいましたが、テスト終了を告げるチャイムはまだ鳴っていません。
意外と余裕を持ってできたかな、そう思って園子さんは時計を確認しました。
テスト終了時刻まで、あと20分。
(あれ?)
首を傾げる園子さん。最後に時間を確認してからまったく指針が進んでいません。
(え、なんで…?)
驚いた園子さんは周囲を軽く見渡してみましたが、全員黙々と回答用紙に向かっており、試験監督の先生も含めて気にしている人は誰もいません。
私の見間違いかな、そう思った時、教室のドアが開き別の先生が入ってきました。
「失礼します!実はチャイム放送機器にトラブルがあり、チャイムが鳴らない状態となってしまっています!」
突然入って来た先生の報告に、驚いてざわつき始める学生たち。
詳しく話を聞くと、校内にチャイムを鳴らす機材の不調でチャイムが鳴らず、現在復旧作業を行っているとのこと。そのため試験終了の合図であるチャイムが鳴らなかったようです。
しかし、この教室の時計が止まっていたため、全員がそれに気づかなかったようです。
試験監督の先生が教室の時計を確認すると、どうやら電池切れのようでした。
2つのトラブルが重なり、テスト時間が大幅に伸びてしまったということになります。
「マジか、問題解くの遅かったからラッキー!」
「つーか、次の科目遅刻決定じゃん!ちゃんと責任とってくれるよね!?」
周りの生徒たちが各々の想いをこぼしている中、園子さんにはあることを考えていました。
(まさか、限定的に時間を止めるって…)
その時、スマートフォンにメッセージ着信音が。
園子さんはすぐにLINEを開き、内容を確認しました。
チャイムが鳴らなくなったのも、教室の時計が止まったのもすべてストッパーが行ったものであるとのこと。
確かに昨日、園子さんは自信のなさからテスト時間が止まってほしいという気持ちを込めてストッパーに依頼しました。
結果、試験時間が伸びて回答が間に合ったため、依頼通りということになります。
(コイツ、どれだけ私のことを知ってるの…!?)
ある意味で有言実行し時間を止めたこと、そして見ず知らずの相手に自分の心の中まで知られているということに、園子さんは恐怖を感じるのでした…。
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。