起きられない…。ますます深まる謎【LINE怖い話 #24/夢の中の子 3】
連載
LINE怖い話
知らない人からLINEが来る。そんなゾッとする経験をしたことはありませんか?この連載では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
大学の友達の亮さんとキャンプから帰って来た日から、妙な夢を見るようになった健介さん。
しかも夢を見ている間に「(O_O)」という謎のアカウントと無意識のうちにLINEのやりとりをするようになりました。
夢の中では、先日のキャンプで拾ったものと同じようなまん丸の石を見つけ、はっきりは分からないものの誰かが隣にいると言います。
健介さんは、そんな夢を毎日見るようになりました。
「夢の中で夢だと気づくことが多くて、目覚めたいと思うんですけど、出口が見つからないんですよ。丸い石を持ったまま、ずっとあのキャンプ場の雑木林や川のあたりをさまよってしまうんです。誰かが隣にいる気配はするのに、それが誰なのかは一向に分かりませんでした」
健介さんはまたLINEを見せてくれました。
夢の中で、隣にいる誰かはしきりに丸い石を欲しがっていましたが、渡せば起きられると頭では分かっているのに、なぜか体が言うことを聞かなかったのだそうです。
「変なLINEをしているついでなのか、無意識にアラームも止めちゃうし、夢からは出られないし、午前の授業には遅刻したりサボったりすることが増えました」
健介さんが出られなかった授業を亮さんも履修している場合は、亮さんからノートを見せてもらったり、出席数をごまかしてもらったりしていました。
実家暮らしの亮さんは毎朝母親に叩き起こされるらしく、本人の真面目さも相まって、大学生にしては珍しく無遅刻・無欠席を誇っていたようです。
健介さんは遅刻の理由を「季節の変わり目だからか、ずっと眠いんだよね」と言って、亮さんに謎のアカウントの話は伏せていました。
「あの丸い石が原因で変な夢を見ているとは何となく気づいていたはずなのに、見れば見るほどその完璧な球体と表面の艶に魅入られてしまって……。きっと亮に一連のことを打ち明けたら、石を手放せって言われると思ったんですよ。なぜかそれを避けたい気持ちがありました」
健介さんは連日遅刻するようになりましたが、単位を落とす危機感も抱かず、目が覚めるとまず丸石を撫でるという日々が続きました。その度に、絶対に石を手放したくないという気持ちが湧き上がったと言います。
10日ほど経った頃、亮さんから「キャンプ行ってから、なんか変なこと起きてない?」とLINEが来ました。
亮さんにも何か異変があったのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。
LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。
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「夢の中の子」その3
大学の友達の亮さんとキャンプから帰って来た日から、妙な夢を見るようになった健介さん。
しかも夢を見ている間に「(O_O)」という謎のアカウントと無意識のうちにLINEのやりとりをするようになりました。
夢の中では、先日のキャンプで拾ったものと同じようなまん丸の石を見つけ、はっきりは分からないものの誰かが隣にいると言います。
健介さんは、そんな夢を毎日見るようになりました。
「夢の中で夢だと気づくことが多くて、目覚めたいと思うんですけど、出口が見つからないんですよ。丸い石を持ったまま、ずっとあのキャンプ場の雑木林や川のあたりをさまよってしまうんです。誰かが隣にいる気配はするのに、それが誰なのかは一向に分かりませんでした」
健介さんはまたLINEを見せてくれました。
夢の中で、隣にいる誰かはしきりに丸い石を欲しがっていましたが、渡せば起きられると頭では分かっているのに、なぜか体が言うことを聞かなかったのだそうです。
「変なLINEをしているついでなのか、無意識にアラームも止めちゃうし、夢からは出られないし、午前の授業には遅刻したりサボったりすることが増えました」
健介さんが出られなかった授業を亮さんも履修している場合は、亮さんからノートを見せてもらったり、出席数をごまかしてもらったりしていました。
実家暮らしの亮さんは毎朝母親に叩き起こされるらしく、本人の真面目さも相まって、大学生にしては珍しく無遅刻・無欠席を誇っていたようです。
健介さんは遅刻の理由を「季節の変わり目だからか、ずっと眠いんだよね」と言って、亮さんに謎のアカウントの話は伏せていました。
「あの丸い石が原因で変な夢を見ているとは何となく気づいていたはずなのに、見れば見るほどその完璧な球体と表面の艶に魅入られてしまって……。きっと亮に一連のことを打ち明けたら、石を手放せって言われると思ったんですよ。なぜかそれを避けたい気持ちがありました」
健介さんは連日遅刻するようになりましたが、単位を落とす危機感も抱かず、目が覚めるとまず丸石を撫でるという日々が続きました。その度に、絶対に石を手放したくないという気持ちが湧き上がったと言います。
10日ほど経った頃、亮さんから「キャンプ行ってから、なんか変なこと起きてない?」とLINEが来ました。
亮さんにも何か異変があったのでしょうか。それとも……。
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(園田亜真理)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
園田亜真理
1993年10月5日、東京都生まれ。元インテリアショップ店員。駆け出しフリーWEBライター・エディター。フリーモデル。この先の時代に、結婚せずに女1人で生きていく方法を模索中。オカルト、ホラー、廃墟が好き。