さっきのは何!?暗闇の中で動くもの 【LINE怖い話 #93/深夜の道しるべ 2】
友達からの奇妙なLINE、知らない人からの不思議なLINE…。普段何気なく使っているメッセージアプリに、違和感を覚えたことはありませんか?
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。
バイトから帰る途中、謎の廃村に迷い込んでしまった凛さん。
突如アプローチをしてきた謎のアカウントが出口まで案内するとメッセージを送ってきたため、凛さんは指示に従い廃村の奥へと入っていくことになりました。
最初は道なりにまっすぐ進んでほしいと指示され、廃村の中央を通るように歩いて行く凛さん。
少しずつ家屋であったものの数が増えはじめ、本格的に山村という雰囲気になってきました。すべての家が荒廃しているという点を除けば。
(…嫌な感じの雰囲気だなぁ)
スマートフォンの明かりしか頼れない暗闇の中で、荒廃した村に独りきりのこの状況。さすがに凛さんも不安を感じていました。
どこかに都合よく誰かいないものか、そんなことを考えていると、スマートフォンにメッセージ着信が。
(あの変な名無しのアカウントからか?)
凛さんはすぐにメッセージを確認します。
![](//imgc.eximg.jp/i=%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252Flaurierpress%252Flaurier_lifestyle%252F2021%252FE1637306307782_17d5_2.jpg,small=900,quality=80,type=)
謎のアカウントから送られてきたのは、すぐに隠れるよう促す警告のメッセージ。
文面から切羽詰まっている様子が見て取れたため、疑問に思いつつも凛さんは指示に従うことにしました。
歩いていた道から外れ、近くの茂みの中に身をひそめる凛さん。指示の通りスマートフォンの明かりも消し、そのまましゃがみ込んで待機します。
(うわ、明かり消すとマジでなんも見えないな…)
明かりを消すと。自分の姿を含め夜の暗闇で周囲が何も見えなくなりました。
さすがにちょっと怖いかなと思い始めた時、遠くの方で何か白いものが動いているのが目に移りました。
(ん…?)
白く動くものが気になり、身をかがめながらも茂みの隙間から様子を見る凛さん。それは先ほどまで凛さんが歩いていた道の先からゆっくりと近づいてきています。
よく見ると白いものは3つあり、滑るようにスーッと道の真ん中を移動しています。
そして、凛さんが隠れている茂みの近くまで“それ”が来た時、その正体を凛さんははっきり目にしました。
(いっ…!?)
それは、明らかに人の形をしていました。
顔から推察するに男性2人と女性1人。顔から下部分はぼやけて外見がよくわからない状態でしたが、少なくとも膝から下部分は見えず、宙に浮いているようでした。
(待って…マジ!?)
内心悲鳴を上げたいところでしたが、隠れていることがバレないよう必死に声を抑える凛さん。
「あぁ…あああぁ…」
小さくうめき声を上げながら、廃村の道を通り過ぎていく3人。そのままゆっくりと移動し続け、最後には夜闇に溶けるように消えていきました。
“おい!マジで何!?あれマジの幽霊!?”
完全にいなくなったことを確認した後、凛さんは茂みに隠れたままスマートフォンを起動して謎のアカウントにメッセージを送りました。
本物の幽霊を見てしまったことに動転し、手が震えてメッセージを打ち終わるまでかなりの時間を要しましたが、それでも聞かずにはいられませんでした。
“この村にはあんなのがたくさんいる。仲間にされる前に、早く出なくちゃいけないの”
すぐに謎のアカウントから返信が来ましたが、それは凛さんの精神に追い打ちをかけるような内容に。
このままだと凛さんも幽霊にされかねないため、早急に脱出しなければならないということでした。
(っ!冗談じゃねぇ…!)
本格的に恐怖を感じた凛さんは、すぐにメッセージを送り村の出口までの道を教えてほしいとお願いします。
“さっきの道をまたそのまま進んで、突き当りを左に曲がって”
“あいつらがまた近くに来たら知らせるから、慎重に進んでね”
謎のアカウントから指示をもらい、再び指示通り道を歩きはじめる凛さん。
先ほどのような幽霊に鉢合わせたらどうなるかわかったものではないので、周囲を気にしながら足を進める凛さん。
しかし、焦りからか歩く速度が無意識に速くなっていきます。
果たして、凛さんはこの廃村から脱出することができるのでしょうか。
そして、その凛さんに指示を出している謎のアカウントは一体…?
連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。
(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
それはもしかすると、人ならざるものが関係しているかもしれません。
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「深夜の道しるべ」その2
バイトから帰る途中、謎の廃村に迷い込んでしまった凛さん。
突如アプローチをしてきた謎のアカウントが出口まで案内するとメッセージを送ってきたため、凛さんは指示に従い廃村の奥へと入っていくことになりました。
最初は道なりにまっすぐ進んでほしいと指示され、廃村の中央を通るように歩いて行く凛さん。
少しずつ家屋であったものの数が増えはじめ、本格的に山村という雰囲気になってきました。すべての家が荒廃しているという点を除けば。
(…嫌な感じの雰囲気だなぁ)
スマートフォンの明かりしか頼れない暗闇の中で、荒廃した村に独りきりのこの状況。さすがに凛さんも不安を感じていました。
どこかに都合よく誰かいないものか、そんなことを考えていると、スマートフォンにメッセージ着信が。
(あの変な名無しのアカウントからか?)
凛さんはすぐにメッセージを確認します。
![](http://imgc.eximg.jp/i=%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexnews%252Ffeed%252Flaurierpress%252Flaurier_lifestyle%252F2021%252FE1637306307782_17d5_2.jpg,small=900,quality=80,type=)
謎のアカウントから送られてきたのは、すぐに隠れるよう促す警告のメッセージ。
文面から切羽詰まっている様子が見て取れたため、疑問に思いつつも凛さんは指示に従うことにしました。
歩いていた道から外れ、近くの茂みの中に身をひそめる凛さん。指示の通りスマートフォンの明かりも消し、そのまましゃがみ込んで待機します。
(うわ、明かり消すとマジでなんも見えないな…)
明かりを消すと。自分の姿を含め夜の暗闇で周囲が何も見えなくなりました。
さすがにちょっと怖いかなと思い始めた時、遠くの方で何か白いものが動いているのが目に移りました。
(ん…?)
白く動くものが気になり、身をかがめながらも茂みの隙間から様子を見る凛さん。それは先ほどまで凛さんが歩いていた道の先からゆっくりと近づいてきています。
よく見ると白いものは3つあり、滑るようにスーッと道の真ん中を移動しています。
そして、凛さんが隠れている茂みの近くまで“それ”が来た時、その正体を凛さんははっきり目にしました。
(いっ…!?)
それは、明らかに人の形をしていました。
顔から推察するに男性2人と女性1人。顔から下部分はぼやけて外見がよくわからない状態でしたが、少なくとも膝から下部分は見えず、宙に浮いているようでした。
(待って…マジ!?)
内心悲鳴を上げたいところでしたが、隠れていることがバレないよう必死に声を抑える凛さん。
「あぁ…あああぁ…」
小さくうめき声を上げながら、廃村の道を通り過ぎていく3人。そのままゆっくりと移動し続け、最後には夜闇に溶けるように消えていきました。
“おい!マジで何!?あれマジの幽霊!?”
完全にいなくなったことを確認した後、凛さんは茂みに隠れたままスマートフォンを起動して謎のアカウントにメッセージを送りました。
本物の幽霊を見てしまったことに動転し、手が震えてメッセージを打ち終わるまでかなりの時間を要しましたが、それでも聞かずにはいられませんでした。
“この村にはあんなのがたくさんいる。仲間にされる前に、早く出なくちゃいけないの”
すぐに謎のアカウントから返信が来ましたが、それは凛さんの精神に追い打ちをかけるような内容に。
このままだと凛さんも幽霊にされかねないため、早急に脱出しなければならないということでした。
(っ!冗談じゃねぇ…!)
本格的に恐怖を感じた凛さんは、すぐにメッセージを送り村の出口までの道を教えてほしいとお願いします。
“さっきの道をまたそのまま進んで、突き当りを左に曲がって”
“あいつらがまた近くに来たら知らせるから、慎重に進んでね”
謎のアカウントから指示をもらい、再び指示通り道を歩きはじめる凛さん。
先ほどのような幽霊に鉢合わせたらどうなるかわかったものではないので、周囲を気にしながら足を進める凛さん。
しかし、焦りからか歩く速度が無意識に速くなっていきます。
果たして、凛さんはこの廃村から脱出することができるのでしょうか。
そして、その凛さんに指示を出している謎のアカウントは一体…?
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(洞 怜子)
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません
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この記事を書いたライター
洞 怜子
怖い話を集めたり想像したり執筆したりするのが好きなホラー作家。