【大人のための詩集②】女性詩人による『わたしたちの猫』と『終わりと始まり』。ブックディレクター・幅 允孝さんのおすすめ2選

“大人のための”詩集
先行きが見えない今──そわそわしたり、ザワつく気持ちを落ち着かせ、心をほぐしたい。モア世代に贈るエンタメの特効薬、詩集の世界へようこそ。
教えてくれたのは…
ブックディレクター・幅 允孝さん

【Profile】
『バッハ』代表。人と本が上手に出合えるよう、ユニークな方法やさまざまな場所で本の提案を行う。大阪に誕生した『こども本の森 中之島』のクリエイティブディレクターも担当『わたしたちの猫』文月悠光
中原中也賞を受賞した著者が25歳の時に上梓した本。「ひとりの人間として立っていたいという心持ちと、一方で誰かに体を預けていないと折れてしまうかもしれない女性の強さと弱さを素直に表現しながらも、凜とした風情をたたえた詩集」(幅さん、以下同) (ナナロク社 ¥1400)『終わりと始まり』〈著〉ヴィスワヴァ・シンボルスカ 〈訳〉沼野充義
でもわたしは分からないし、
分からないということにつかまっている
分からないということが命綱であるかのように

『終わりと始まり』より「詩の好きな人もいる」ヴィスワヴァ・シンボルスカ 〈訳〉沼野充義
「ぜひ読んでほしいノーベル文学賞を受賞したポーランドの女性詩人の作品。ささやかな日常描写から、急に過去と未来、ミクロの世界と宇宙のような視点もある。縦横無尽な視点が素晴らしい」(未知谷 ¥1400)
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撮影/石田真澄 取材・原文/広沢幸乃 構成・企画/渡部遥奈(MORE)

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