【男の本音】付き合う前に身体の関係に持ち込むのはどうして?「真面目」の裏返しで嘘をつく男性心理
マッチングアプリはほんの20年前まで「出会い系サイト」と呼ばれていました。そしてそれを利用するとうしろめたさがついてきました。「そういうところでしか出会いがない=リアルが充実していない、友だちが少ない淋しい人」みたいに、世間から後ろ指を指されている感じがあったのです。
今はそういうのもなくなって、とてもいい時代になったと思います。がしかし、昔も今も「先に身体の関係を求める男性」はいるわけでして……。今回は、先に身体の関係に持ち込む男性の本音について、一緒に見ていきたいと思います。
まだ付き合ってもいないのに身体の関係に持ち込もうとする男性はチャラいのか?と言えば、チャラいです。がしかし、心理学的に見れば「チャラく見えるようにふるまっている」のです。
なぜかというと、真剣に「好きです。付き合ってください」と言ってしまうと、女性に「それ、重たいよ。そんなに真剣に好きとか付き合ってくださいとかと言われても」と言われて嫌われかねないと思っているから。つまり、男性は「女性は入口は軽くしないとついてこない」と思っているのです。
それは学校時代に見た女性のふるまいなどがトラウマになっているからです。例えば高校で、真面目なガリ勉君より、チャラいことを言って笑わせるのがうまい男性の方がモテていましたよね?そういうのを見て、男性は「女性は入り口において軽めにしないと寄ってこない」と学習しているのです。
だから、出会いの場がマッチングアプリであれ、会社であれ、どこであれ、男性たちは、真面目くさって「あなたのことをかわいいと思いました。つきましては、ぼくと交際前提でお付き合いしていただけませんか?」などと、明治時代の文士みたいには言わないのです。あくまでもチャラく「やらない?」「やらせてよ」と言うのです。
勘違いしないでいただきたいのは、男性はなにも「女性はチャラい男しか好きにならない」とは思っていないということです。女性だって、真面目に生きている男のことを好きになるとわかっています。でもそのわかっていることを、恋愛の入り口において、そのまま実践できないのです。なぜなら、人は自分が持っている「暗さ」をそのまま表に出すと「暗いヤツ」と言われたり「淋しそうな人」と思われたりするのが嫌だから。
特に、女性からそういう風に言われたり思われたりするのを、男性は極度に恐れているのです。だから彼は、あえてチャラそうにふるまうのです。たとえば、会社の女性に、真面目に「好きです。付き合ってください」と彼は本当は言いたいのです。でもそうすると「なに?この真面目な男性。キモっ」と言われるのが見えるのです。
だから、会社という真面目な場所ではなくマッチングアプリというチャラさ全開でふるまえる場所を選ぶのです。マッチングアプリにおいても、彼は「真面目さ」と「チャラさ」をうまく使い分けます。たとえばプロフィールは真面目に書きます。
――女性はIT系の草食っぽい男性が好きだろうから、プロフィールにはIT系と書こう。年収は500万って書いておくと無難かな。趣味はサッカーとかと書いておくと、快活な明るい男みたいに思ってくれるかな。彼はこう考えて、「真面目」にプロフィールを書きます。そのプロフィールがたとえ嘘の偽造文であったとしても、彼の中ではそれが「真面目」なんです。なぜなら、彼は「本当は」真面目で暗い男だから。
で、そのプロフィールを気に入った女性がメッセージを送ってきたら、彼は「暗い男に思われるのは嫌だ」と思って、「やらない?」とか「おれ、めんどくさくないよ。ワンナイトしかやらないから」と、「嘘」をつくのです。本当は淋しくて今すぐにでも「ちゃんとした」彼女が欲しくて、彼女ともし会えたら「お願いだから長く付き合ってください」と言いたいのに、嘘をつくのです。
と、男性のことばかり書いてきましたが、これって女性にも言えることであるはずです。女性だって「暗い子」とか「本当は淋しい子」と他人に思われたくないから、そう思われないように頑張っていますよね?たとえば、インスタに「リア充」的な写真をアップするとか。
そしてそういう女性に好きな人ができたら、その人に「本当は私ちょっと暗いし淋しいんだ」と言えたら付き合えるし、言えないと「縁がなかった」と思ってさっさとその男性のことを諦めますよね?
反対に「彼の前では素になれて楽なんです」とか「彼とは一緒にいて楽です」と言う女性がいますね。あれはなにも、楽して交際している(手抜きして交際している)わけではないんですね。「本当の自分」、つまり、ちょっと暗くて淋しい自分を、彼になら見せることができる、だから楽だ、ということなんです。
誰だって24時間ずっと明るいわけではなく、暗いところも持っています。だから、それで当たり前といえば当たり前ですが、男女関係に関しては男女お互いに、自分の暗さや淋しさを隠そうとする――この辺に、恋愛の入り口における男女のすれ違いの原因があるのです。
最後にちょっと真面目な話をします。拙著『自分を愛する方法』で触れなかったことについてお話します。人生は逆説だとおそらく最初に言ったのは、キルケゴールという哲学者です。
彼は若い頃から、自分の暗さや淋しさがコンプレックスでした。だから、あえてチャラいふりをしていました。女性にモテたかったのです。でもある日、自分の気持ちに嘘をついてモテても虚しいだけだと気づきました。その後彼は「アイロニーの概念」という論文を書きます。
とても難しく書かれているので、ぼくは全てを理解していませんし、全てを読んでいませんが、その論文のベースは好きな女性の前でなぜかチャラくふるまってしまう、その自分が持つ「なぜかさ」がベースになっています。
キルケゴールは男性ですが、同じことが女性にも言えます。真面目に生きたいと思っているのに、なぜかチャラい男にばかり惹かれる。なぜかチャラい男とワンナイトばかりしてしまう――女性の中にもこういう人がいますよね?
つまり、男女共に特に若いうちは逆説的に生きているということなのです。「本当の自分」を粉飾してチャラく生きてしまうのです。
その意味で、男女共に、The great pretenderです。そういう傾向は、自分がこの人生の中でなにをなすべきかが見えるまで続きます。例えば「私は結婚して子供を育てるために生きているのだ」ということがわかった女性は、どれだけチャラく遊びまくっていても、ぱたりと遊ばなくなりますよね?あるいは、「私はこの彼と人生を作っていくのだ」と決めた女性も、チャラさをあっさりと捨てて真面目に生き始めますね。
その意味で、いい恋愛とはいい人生と同義です。恋愛においては、よく「モテテク」などと言われますが実はその「テク」は、生き様とぴったり表裏を成しているのです。
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(ひとみしょう/作家・コラムニスト)
今はそういうのもなくなって、とてもいい時代になったと思います。がしかし、昔も今も「先に身体の関係を求める男性」はいるわけでして……。今回は、先に身体の関係に持ち込む男性の本音について、一緒に見ていきたいと思います。
重いと思われて嫌われることが怖い
まだ付き合ってもいないのに身体の関係に持ち込もうとする男性はチャラいのか?と言えば、チャラいです。がしかし、心理学的に見れば「チャラく見えるようにふるまっている」のです。
なぜかというと、真剣に「好きです。付き合ってください」と言ってしまうと、女性に「それ、重たいよ。そんなに真剣に好きとか付き合ってくださいとかと言われても」と言われて嫌われかねないと思っているから。つまり、男性は「女性は入口は軽くしないとついてこない」と思っているのです。
それは学校時代に見た女性のふるまいなどがトラウマになっているからです。例えば高校で、真面目なガリ勉君より、チャラいことを言って笑わせるのがうまい男性の方がモテていましたよね?そういうのを見て、男性は「女性は入り口において軽めにしないと寄ってこない」と学習しているのです。
だから、出会いの場がマッチングアプリであれ、会社であれ、どこであれ、男性たちは、真面目くさって「あなたのことをかわいいと思いました。つきましては、ぼくと交際前提でお付き合いしていただけませんか?」などと、明治時代の文士みたいには言わないのです。あくまでもチャラく「やらない?」「やらせてよ」と言うのです。
男性の嘘は「真面目」の裏返し
勘違いしないでいただきたいのは、男性はなにも「女性はチャラい男しか好きにならない」とは思っていないということです。女性だって、真面目に生きている男のことを好きになるとわかっています。でもそのわかっていることを、恋愛の入り口において、そのまま実践できないのです。なぜなら、人は自分が持っている「暗さ」をそのまま表に出すと「暗いヤツ」と言われたり「淋しそうな人」と思われたりするのが嫌だから。
特に、女性からそういう風に言われたり思われたりするのを、男性は極度に恐れているのです。だから彼は、あえてチャラそうにふるまうのです。たとえば、会社の女性に、真面目に「好きです。付き合ってください」と彼は本当は言いたいのです。でもそうすると「なに?この真面目な男性。キモっ」と言われるのが見えるのです。
だから、会社という真面目な場所ではなくマッチングアプリというチャラさ全開でふるまえる場所を選ぶのです。マッチングアプリにおいても、彼は「真面目さ」と「チャラさ」をうまく使い分けます。たとえばプロフィールは真面目に書きます。
――女性はIT系の草食っぽい男性が好きだろうから、プロフィールにはIT系と書こう。年収は500万って書いておくと無難かな。趣味はサッカーとかと書いておくと、快活な明るい男みたいに思ってくれるかな。彼はこう考えて、「真面目」にプロフィールを書きます。そのプロフィールがたとえ嘘の偽造文であったとしても、彼の中ではそれが「真面目」なんです。なぜなら、彼は「本当は」真面目で暗い男だから。
で、そのプロフィールを気に入った女性がメッセージを送ってきたら、彼は「暗い男に思われるのは嫌だ」と思って、「やらない?」とか「おれ、めんどくさくないよ。ワンナイトしかやらないから」と、「嘘」をつくのです。本当は淋しくて今すぐにでも「ちゃんとした」彼女が欲しくて、彼女ともし会えたら「お願いだから長く付き合ってください」と言いたいのに、嘘をつくのです。
「本当の自分」を見せることができたら付き合える
と、男性のことばかり書いてきましたが、これって女性にも言えることであるはずです。女性だって「暗い子」とか「本当は淋しい子」と他人に思われたくないから、そう思われないように頑張っていますよね?たとえば、インスタに「リア充」的な写真をアップするとか。
そしてそういう女性に好きな人ができたら、その人に「本当は私ちょっと暗いし淋しいんだ」と言えたら付き合えるし、言えないと「縁がなかった」と思ってさっさとその男性のことを諦めますよね?
反対に「彼の前では素になれて楽なんです」とか「彼とは一緒にいて楽です」と言う女性がいますね。あれはなにも、楽して交際している(手抜きして交際している)わけではないんですね。「本当の自分」、つまり、ちょっと暗くて淋しい自分を、彼になら見せることができる、だから楽だ、ということなんです。
誰だって24時間ずっと明るいわけではなく、暗いところも持っています。だから、それで当たり前といえば当たり前ですが、男女関係に関しては男女お互いに、自分の暗さや淋しさを隠そうとする――この辺に、恋愛の入り口における男女のすれ違いの原因があるのです。
男女共にThe great pretender
最後にちょっと真面目な話をします。拙著『自分を愛する方法』で触れなかったことについてお話します。人生は逆説だとおそらく最初に言ったのは、キルケゴールという哲学者です。
彼は若い頃から、自分の暗さや淋しさがコンプレックスでした。だから、あえてチャラいふりをしていました。女性にモテたかったのです。でもある日、自分の気持ちに嘘をついてモテても虚しいだけだと気づきました。その後彼は「アイロニーの概念」という論文を書きます。
とても難しく書かれているので、ぼくは全てを理解していませんし、全てを読んでいませんが、その論文のベースは好きな女性の前でなぜかチャラくふるまってしまう、その自分が持つ「なぜかさ」がベースになっています。
キルケゴールは男性ですが、同じことが女性にも言えます。真面目に生きたいと思っているのに、なぜかチャラい男にばかり惹かれる。なぜかチャラい男とワンナイトばかりしてしまう――女性の中にもこういう人がいますよね?
つまり、男女共に特に若いうちは逆説的に生きているということなのです。「本当の自分」を粉飾してチャラく生きてしまうのです。
その意味で、男女共に、The great pretenderです。そういう傾向は、自分がこの人生の中でなにをなすべきかが見えるまで続きます。例えば「私は結婚して子供を育てるために生きているのだ」ということがわかった女性は、どれだけチャラく遊びまくっていても、ぱたりと遊ばなくなりますよね?あるいは、「私はこの彼と人生を作っていくのだ」と決めた女性も、チャラさをあっさりと捨てて真面目に生き始めますね。
その意味で、いい恋愛とはいい人生と同義です。恋愛においては、よく「モテテク」などと言われますが実はその「テク」は、生き様とぴったり表裏を成しているのです。
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(ひとみしょう/作家・コラムニスト)
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この記事を書いたライター
ひとみしょう
作家/コラムニスト/作詞家。キルケゴール哲学をベースに、なんとなく淋しい人に向けた希望論&恋愛論『自分を愛する方法』を上梓。全国の書店等で発売中。『ひとみしょうのお悩み解決』『ひとみしょうの男って実は』(Grapps)など連載多数。日本自殺予防学会会員。キルケゴール協会会員。